日本財団 図書館


 

4)在宅ケア適応スコア
我々は実際に在宅ケアを行い、そこから得た経験を元に「在宅ケア適応スコア」を開発した。最低条件として1.医療費の支払いが可能であること。2.クリニックからの距離が約15分以内であること(緊急時の対応などを考えて)。3.介護者がいることを掲げた。これを満たした上で、スコア値が13ポイント以上であれば在宅ケアを継続することが可能であると判断した。
在宅ケアを継続するための要因の検討としてこの適応スコアを開発したが、在宅ケア導入時を在宅ケア継続の基点としてとらえれば、このスコアは導入時の適応スコアとしても応用できる。

 

?\まとめ
1)「在宅ケア適応スコア」開発した。
2)居宅で療養したい患者自身の強い希望があっても、すべての症例において在宅ケアを継続できるとは限らない。
3)介護力は在宅療養の適応を決定する大きな要素である。
4)社会資源の活用は在宅療養を継続する要因とはいえない。
5)継続性がある在宅ケアに意義があり、患者や家族が望む療養生活が、最後まで全うできるように強い信念を持って支援することが理想である。
6)従って在宅ケアの開始にあたっては、その適応について十分検討、評価することが重要であり、さらに在宅ケア導入後もその継続の可否を検討しなければならない。

 

?]最後に
今回は、近郊都市型在宅ケアを実践している「おやま城北クリニック」の症例でスコアを開発したが、これが農村型在宅ケアや特定機能病院での在宅ケアなどの症例で通用するかを検討しなければならない。現在、検討に着手しているところである。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION